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今年も確定申告(住民税申告)の時期がやってきましたね。
サラリーマンは年末調整があるので、基本的には関係がないという方が多いはず。
私もサラリーマンですが、今年は住民税の申告(≠確定申告)を行いました。
それは株でお小遣い稼ぎをしているサラリーマンがどのように申告をすれば一番得をするのかを考えた結果です。
今年は特にふるさと納税との兼ね合いも考えたので、どのようにしてその結論に至ったのかを記載したいと思います。
私のようなサラリーマンかつ株などの副業でお小遣い稼ぎをしている方々にとって少しでも参考になればと思います。
(あくまで専門家でもないいちサラリーマンが自分で調べた結果ですので、参考程度にご覧いただければと思います。)
1.前提条件
今回の記事では以下のような人が対象です。
- サラリーマン
- 株などの利益が年間20万円未満 (特定口座の源泉徴収なしを選択:後ほど説明します)
- ふるさと納税をしている
2.申告の必要性
この時期、マネー系雑誌などで“株などの利益が20万円未満なら確定申告しなくて良いので税金がかからない”との記事をよく目にします。
これは半分正解・半分間違いです。確かに株などの利益が20万円未満なら確定申告(税務署)は不要=所得税はかかりません。
ただし住民税申告(市税事務所≒区役所)は必要であり、これを忘れていると申告漏れになってしまいますので注意しましょう。
3.証券口座の源泉徴収について
証券口座開設時に特定口座・源泉徴収ありとしている方に関しては、証券会社が税金の計算・納付を代行してくれるのでそもそも申告の必要がありません。
つまり前述の利益が20万円未満で申告が不要な人であっても税金が徴収されることになります。
私はどのように申告するかの判断を自ら行いたかったので「特定口座・源泉徴収なし」を選択しました。
「特定口座」を利用すると、上場株式等の売買損益が記載された 取得価額の管理や譲渡損益の計算をお客様に代わって証券会社が行います。 【特定口座「源泉徴収あり」の場合】 「源泉徴収あり口座」を選択すると税金の計算や徴収・納付、損益通算 などを証券会社が代行いたしますので、原則、確定申告は不要です。 ただし、損失の繰越控除を行う場合や当社特定口座以外の損益と通算する 場合には確定申告をする必要があります。 また、確定申告を行う場合、配偶者控除等に影響を及ぼす場合があります。 詳しくは税務署、税理士等の専門家にご相談ください。 【特定口座「源泉徴収なし」の場合】 税金の計算や徴収・納付、損益通算などを証券会社が行わないため、 確定申告が必要となります。「年間取引報告書」を基に、お客様ご自身で 確定申告を行ってください。ライブスター証券HP https://www.live-sec.co.jp/comFaqDetail.htm?tid=295
4.株の税金
まずはお使いの証券会社のサイトから年間取引報告書を出力して今年の利益(所得)を確認しましょう。
※年間取引報告書は申告時にも必要なので紙で印刷しておくと良いです。
①譲渡の対価の額(株の売却額) - ②取得及び譲渡に要した費用の額等(株の購入額) = ③差引金額(利益、所得)
この画像の例では①115万円 - ②100万円 = ③15万円が利益(所得)です。
所得に以下の税率をかけて税金を算出します。
(国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm)
15万円 × 20%(所得税15%、住民税5%) = 3万円(所得税22,500円、住民税7,500円)
これだけの税金を払わなくて良いなら確定申告はせずに住民税申告だけする!と思いますが、まだ結論を出すのは早いです。
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5.ふるさと納税
次にふるさと納税で控除できる税金について見ていきます。
(総務省ふるさと納税ポータル:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html)
冒頭でも述べた通り確定申告をしないと住民税の申告をする必要があります。
確定申告をしない=所得税の申告をしないということなので、ふるさと納税の所得税分を控除することができません。
※ワンストップ特例を利用している場合でも、確定申告 or 住民税申告をすると、申告が優先されます。
ということは、株の所得に対する税金(所得税分22,500円)とふるさと納税の所得税割合分を比較してどちらの金額が大きいかで確定申告 or 住民税申告の選択をする必要があると判断しました。
ふるさと納税の所得税・住民税割合は所得税率によって変動しますので、ふるさと納税のサイトで試算しました。
(ふるさとチョイス:https://www.furusato-tax.jp/about/simulation#simulation-detail-link-pc)
1) 詳細シミュレーションボタンを押します。
2) 源泉徴収の方を選択して、源泉徴収票の内容を入力します。
3) シミュレーション結果が表示されます。
4) 下にスクロールすると所得税・住民税の割合が表示されます。
この結果を踏まえて比較をしてみます。(上記ではサンプルとして適当な数値を入力しました)
6.結果の比較と申告の判断
①株の所得に対する税金(所得税分22,500円)と②ふるさと納税控除額(所得税分6,200円)の比較で①のほうが大きいので住民税申告の方が16,300円(22,500円 - 6,200円)得ですね。
具体的には以下のような解釈です。
・住民税申告:22,500円分の税金の納付がなくなる代わりに、6,200円分の控除もなくなります。
・確定申告 :22,500円分の税金の納付が発生する代わりに、6,200円分の控除ができる。
つまり、以下のような判断で良いかと思います。
①>②=住民税申告の方が良い(例:株の利益が多く、ふるさと納税額が少ない場合など)
①<②=確定申告の方が良い (例:株の利益が少なく、ふるさと納税額が多い場合など)
今回の流れをフローチャートにしたものがこれです。
※もしこれらの内容に誤りがあればご指摘頂けると幸いです。
7.さいごに
私の場合は、今年の株の利益が20万円近くあったので上記の比較をしたところ住民税申告が得と判断しました。
(ちなみに両者の差額は1万円程度でした)
年間取引報告書と源泉徴収票さえあれば15分程度で試算は出来てしまうので、その差は大きいと思います。
これらの作業が面倒と感じる人は素直に証券口座を特定口座・源泉徴収ありとした上でワンストップ特例を利用し年末調整だけで終わらせるのが良いでしょう。
しかしながら、今回の計算を通して自分が納めている税金について少しでも理解することが出来たので、ぜひ皆さんも一度計算してみてはいかがでしょうか?
なお住民税申告の具体的な手続きについては次回に記事にしたいと思います。
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